朝起きると、窓の外、世界は真っ白だった。
雪かきをしながら、サヘルの暮らしを思い出した。
当たり前だが雪かきはない。
けれども、砂とのたたかいがある。
それは家の中にまで、塵のように侵入し積もっていく。
外では、放っておくと壁や塀が砂に埋まってしまう。
かいてもかいても、周りから崩れ落ちてくる砂をかき出すのは骨が折れる。
一方で、風のいたずらで、積もるのではなく、地面がえぐれることもある。
柱や塀が傾いてしまう。深く張った草木の根がむき出しになっていることもある。
そんな大変な砂だが、日が暮れた後その上に座るのは、ひんやりして気持ちよかった。
ふるいでごみを取り、きれいな砂をテントの中に敷くこともある。
今度、砂時計のようなさらさらの砂の上に座り、おいしいミントティーを飲めるのは、いつだろうか。
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