遊牧民は、たぶんみなさんが想像されるほど肉を食べていません。
自分の持っている家畜を殺すのは、お客さんがあったときだけだったりします。
内臓と一部の肉は、お客さんとその日のうちに食べてますが、大部分の肉は干し肉にして、少しずつ食べます。
家畜は、長期保存のできる食料倉庫であると同時に
- ミルク及び乳製品の工場
- 毛織物の工場
- いざという時に換金できる預金のある銀行
- 殺した後は、その皮がいろいろな生活必需品を生み出してくれる雑貨工場
などの役割を持っています。
妻はそんな家畜に慣れ親しんだ遊牧民の家系ですからミルクが大好きです。
朝食に必ずミルクを飲みます。
カマンベール、ブリ、カッテージチーズ、モッツァレラなどの柔らかめのチーズが大好きです。
トゥアレグのチーズ(ティコンマリン)は簀の子の上で延ばして乾燥させるので、結構固いんですけどね。
夜も寝る前にも、必ずミルクをコップに一杯飲みます。
娘も、朝食時は時々、夜寝る前には必ずミルクを飲んでいます。
私も妻に負けないくらい乳製品が大好きです。
トウジンビエを細かい粉に挽いて、それから粒状に手で加工し、それを炊いてつくるお粥(モニ)にミルクをたっぷりかけた朝食は私も大好物で、よく朝食に作ってもらっています。
そんなミルクや乳製品好きの家庭ですから、我が家のミルクと乳製品の消費量は一般日本人家庭の数倍くらいあるかも知れません。
娘はまた、学校やおばあちゃんから、
「ミルクは健康に良い」
「ミルクを飲むと骨が強くなる」
「ミルクを飲むと背が伸びる」
などとよく聞かされているようです。
そのため、単純に好きなだけでなく、背が低いという認識(クラスで前から3番目くらい)から、背が伸びるようにと願ってミルクを飲んでいるようです。
そんな娘の認識に気づいた出来事がありました。
近くの店に買い物に行った折、とても背の高い青年がそこにいました。
娘が私に言いました。
「あのおにいさん、ミルクを飲み過ぎたんだね!」
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