19日にクーデター未遂直後、海外系のラジオ放送局RFI、BBC、Afrizue Numero 1 は設備を破壊され、アビジャンではFM周波数帯でこれらの放送を受信できなくなっていました。
それに加えて、4日深夜、夜間外出禁止令の中、フランス系テレビTV5とCANAL HORIZONの中継を行っているアビジャン放送局が破壊されました。
すなわち、現在アビジャンの市民が簡単に得られる情報は、海外のメディアを厳しく非難し続けている国営テレビ・ラジオと新聞だけという状況です。
政府による情報の規制が情報操作へと大きく傾きませんように。
そんな危惧の中、コートジボワール国営テレビ(RTI)が、6日20:00の放送で、
「1998年、在コートジボワール外国人の半数がブルキナ人であり、その数は2,338,540人にものぼる。(中略)ブルキナの大統領とその支持者が、西アフリカのおけるコートジボワールの役割をよく理解できるように、たった500,000人のブルキナ人をブルキナに追い出せばいい。(中略)コートジボワール国内のブルキナ人移民排斥がこの戦いの勝利への鍵である」
とコメントしたそうです。
政府が、外国人や北部住民の排斥運動やキリスト教対イスラム教という宗教間の対立を利用して、国内の経済政策の失敗から国民の目をそらそうとしているという分析だけでなく、ゲイ前大統領の暗殺やワタラ党首宅の放火なども今回の事件を利用した抵抗勢力の排除行動であったという噂も完全に否定できない気がしてきます。
しかし、極端な情報制限や隣国人排斥運動が、近隣諸国や国際社会の批判を招き、内戦だけでなく近隣国との紛争にまで広がる可能性を政府は考慮していないのでしょうか。
西アフリカ15か国からなる西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の仲介により、反乱軍は一時停戦の意向を表明し、政府側も停戦に応じる方針を示していました。
しかし当初4日に計画されていた停戦合意の署名は5日に延び、政府側の書類の不備によりさらに延期され、反乱軍の武装解除の問題などをめぐって政府側が強硬な姿勢を崩さなかったことから調停は打ち切られました。
そして6日、政府側がブアケ近郊で攻撃を再開し、政府側から停戦調印の拒否が発表されました。
反乱軍はブアケだけでなく中北部の拠点を制圧下に置いているため、このまま停戦に調印すればこの地域を取り戻せなくなると危惧し、武力での早期奪還を目指したと見られています。
一方反乱軍も、政府軍の攻撃再開に応じて北部から多数の増援部隊を南下させたようです。そして当初750人程度とされた反乱軍に、武器と資金を与えられた北部の一般市民も加わっているそうです。
ECOWASは仲裁が不調に終わった場合、約4,000人規模の西アフリカ諸国平和維持軍を派遣方針を示しています。旧宗主国フランスは既に軍を派遣しており、停戦拒否という政府側の決定も、ブルキナ人排斥運動の表面化とともに、フランスや周辺国を巻き込んだ内戦の長期化の可能性を含んでいます。
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