これは9月22日の続きです。
コートジボワールの事件についての日本の報道を分析してみました。
毎日新聞(この記事)と共同通信(共同通信ニュース速報[2002-10-04-08:24])は、現在まで北部の都市コロゴをコルホゴと書き続けています(涙)
朝日新聞は20日の報道以来正確にコロゴと書いています。
毎日新聞はまた、6日のふたつの記事(18時51分と18時56分)で、「反乱軍と政府軍が停戦に調印」と報道しています。毎日新聞ヨハネスブルグの城島徹さん、しっかりしてください!
ただし反乱軍の分析については、共同通信が依然として
「ゲイ前大統領派の軍人らによる反乱」(共同通信ニュース速報[2002-10-07-08:26])
としているのに対して、毎日新聞は、
「反乱軍は、ゲイ前大統領(死亡)支持派軍人が主体とされていたが(中略)必ずしもゲイ氏の子飼いとは言えない」(10月3日)
「反乱の背後に、特定政治家や外国勢力が背後に存在するとの憶測も流れていたが、軍事政権時代に国軍で訓練を受けた兵士らが政権転覆を図ったクーデターとの見方に落ち着きつつある」(10月7日)
と他の可能性も取り入れています。
AFPの日本語記事では、バボ(バグボ)大統領がボンゴ大統領)になっていました。訳した方、ガボンと間違ってませんか?(涙、涙)
時事通信が30年近く前にナイジェリアから引き上げて以来、西アフリカには日本人の駐在する日本の報道機関の支局がありません。
ですからコートジボワールの事件だけでなく、西アフリカの多くの記事は、東アフリカ(共同通信社と朝日新聞はナイロビ支局が西アフリカもカバー)、南アフリカ(読売新聞はヨハネスブルク支局が南・東・西アフリカをカバー!)あるいはヨーロッパの机の上で書かれています。大きな出来事があった時には、特派員の方が西アフリカまで出張されますが、直行便がない、査証の取得に時間がかかる、公用語だけをとっても数多くの言語があり、というような問題だけでなく、一支局が多くの国を担当している(例えば、東アフリカのナイロビ支局は、東から西アフリカの33か国を担当しています)ため、、とても一国のある事件だけ追っているわけにはいかず、出張しても滞在日数はそれほど長くとれないようです。
そうなると、インターネットがこれだけ進んできた時代において、西アフリカの出来事について、東や南アフリカの駐在員の方たちと日本にいる私たちの差は何なのでしょうか。
アンテナを張っていて、コネクションがあれば、接することのできるニュースの量は、特派員の方と私たちと、あまり変わらなくなってきているのかも知れません。
すると特派員の方か日本にいる私たちであるかに関わらず、そこで起きていることに対する関心の強さや歴史・文化に対する知識が、速報性や内容の正確さを左右するのではないでしょうか。
言い換えれば、西アフリカのある地域やある分野のことが大好きなら、日本にいても東や南の駐在員の人に負けない記事が書ける時代になったのではないでしょうか。
西アフリカが大好きなみなさん、自分の得意分野で駐在員の方に負けないような記事を発信してください。
といいつつ、では「サヘルの風」も、東や南アフリカの特派員に負けないサヘル地域の報道を目指しているのかといえば、そうではありません。速報性や事件の分析よりも、日本で見て・聞いて・感じたことからつながる自分のサヘル地域での体験を、何よりも大切にして書いていきたいと思います。
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